国の最高峰を年に100日近くも首都から眺められるのは日本だけだという。都内には富士見坂と呼ばれる坂は幾つかあるが、山手線の内側では、ビルが林立し、富士山を路上から見ることができる坂は2カ所しか残っていないということだ。
山手線のはるか外側であるが、わが家から富士山が見える。富士山が見えることを確認できたら専用カレンダーに記録している。気分が向いた時に記入するので正確な観測記録ではない。良く見える＝A、見える＝B、かすかに見える＝Cという区分で記入し、あとは気分で＋や－を右上に書き添え、さらに「霞がかかっている」とか、「真っ白な富士」「夕焼けにシルエット」などとコメントを添えておく。
確かに冬の正月を挟む時期は空気が澄んでおり、晴天が多かったので富士山はよく見えた。12月だけで20日ぐらい見えただろうか。富士山が見えたからといって、生活が変わるものでもないし、夕焼け空を背景としたシルエットがきれいでも、私にとって何かの吉兆であるわけでも無い。富士ビューは生活の中の句読点。息抜きのようなものだろうか。
富士山が景色の中にあるだけで書画の落款のように、景色に風格を添え、眺めるものに安心感を与えてくれる。手前に、ビルが密集していても、電線が視界を横切っていても、遠くの山並みの上に富士山が見えれば、目線は上を向き、発想も大空めざして広がっていく。心も安らぐので、富士山が見えることに感謝している。
仕事柄、LCA(ライフサイクルアセスメント) のレポートを目にする機会は多い。データベースの出所が記入されているものは安心感がある。LCAレポートの落款といえる。GaBiソフトウェア付属のデータベースは世界中で使われている。各国の論文中の「GaBiデータベース使用」との一文を目にするときが、GaBiデータ作成者の苦労が報われた時であると聞いている。
1月10日にテレビの朝のニュースで、なでしこジャパンの澤選手が2011年度のFIFA女子世界最優秀選手に選ばれたことを知った。佐々木監督は女子の最優秀監督賞を受賞している。“2011年から突然”のなでしこサポーターとしては嬉しいニュースだったが、富士山カレンダーを見ると「C－：薄く見える」と記入されていた。富士ビューはニュースの内容とは関係なかった。やはり。（A）
2月 17th, 2012 at 10:08 PM
実は私の会社からも晴れて澄んだ日は富士山が良く見えます。朝のすがすがしい富士山も素敵ですが、夕暮れの富士山も素晴らしいです。特に男子トイレからの眺めが最高です（男性従業員のささやかな特権です）。
この素晴らしい富士山をいつまでも眺められればと思います。気候が変動しないことを願っています。環境負荷低減への取り組みの必要性を再認識させられます。そのための重要なツールがLCAなのですね。