「ディリリ」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「ディリリ」

「ディリリとパリの時間旅行」というアニメ映画を見てきた。19世紀末から20世紀初頭のベル・エポック期のパリの景色が何ともきれいに描かれていると映画評で読んだからだ。

 

 ベル・エポック(Belle Époque、仏:「良き時代」)とは、芸術や文化がパリで花開いた時代である。昔パリを旅行した時、既にルーブルにはガラスのピラミッド風の入り口ができており、凱旋門のはるかかなたでは少しずつパリ自身も近代化が進んでいた。それでも昔からのパリの面影もあちらこちらに感じることがで、いい思い出となっている。だから、このアニメはパリの景色を思いだすには最適だと思ったのである。

 

 都市の観光は足で稼ぐのが信条であったので時間の許す限り街の中を歩き回った。モンマルトルの丘も、オルセー美術館も、パリオペラ座も定番と言えば定番だけれど、それなりにパリを見たつもりでいた。

 

 映画の画面は19世紀末までに産業革命が進み、消費文化が栄えるようになった時代のパリを描いている。パリの町並みは華やかに見える。街路も、建築物も、エッフェル塔もいいアクセントになっている。ストーリーにかまわず背景となる景色を眺めていた。

 

 今、東京はオリンピックに合わせて競技場などが完成間近だ。かつて東京の街中に高速道路が現れた驚きは大切な記憶になっている。その高速道路も延長され、一部は地下を通るようなネットワークとなり、東京も変わりつつある。

 

 映画を見て思った。都市はいつまでも昔のままに残すことはできないけれど、できれば前向きな記憶を大切にする都市景観を目指してほしい。

 

 改造が進む東京で、個人的に残念なのは自転車道路が作られていないことだ。東京湾沿岸部にできた新スポーツ施設群を巡るサイクリング路を張り巡らしたらよかったのにと思っていた。街を自転車で駆け抜けるというのははつらつとしていて気持ちが良い。北欧などの幅広い自転車道路が大変羨ましい。

 

 東京タワーと同じくらいの高さのビルが2023年に都心に建つという。驚きです。(L)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    2020東京オリンピックで大勢の外国からのお客様が東京を訪れるので、その都市の風景が思い出として残り、後年に東京を再び訪れた時や映像を目にした時に、東京オリンピックで訪れた時の思い出がよみがえるといいですね。

    もちろん都市は進化していきますので、変化するところは必ずある訳ですけれど、残すところは残す、この選択には、深い洞察力やセンスの良さが求められるのでしょうか。

    サイクリング路は良いですね。健康の面でも環境の面でも。大都市東京だからこそ実現して欲しいです。

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