「宇宙回収カプセルの帰還」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「宇宙回収カプセルの帰還」

 宇宙からのカプセル回収というと、「続・猿の惑星」の最初の衝撃シーンが思い出される。かつて宇宙に飛び立ったテイラー宇宙飛行士が搭乗していた宇宙船がアメリカ沖に着水する。 人類はテイラー宇宙飛行士が帰還したものとして宇宙船を回収したが、中から現れたのは宇宙服を着た「猿」だった。

 

 今回国際宇宙ステーションから地球に帰還した回収カプセルが無事回収された。JAXAが計画したものだ。宇宙ステーションから持ち帰った中身が完全な状態で戻れば、実験はめでたく成功だと言える。中身は宇宙の無重力環境で結晶化させたタンパク質だという。

 

 持ち帰ったサンプルは貴重な試料だ。新しい物質の研究につながるといいと思う。加えて、カプセルを南鳥島近海に着水させる技術に興味がある。この技術が発展することも期待している。三角錐のカプセルをどのようにして回収目的地まで飛行させるのだろうか。

 

 JAXAの論文によれば、「小型回収カプセルは,この帰還技術のうち最もクリティカルかつ世界最高水準の技術を目指す誘導揚力飛行技術,及び再突入熱防護技術について技術実証するものである」という。誘導揚力飛行技術とはどんなものだろう。

 

 三角錐の塊の姿勢を制御して、をある程度の揚力をキープしながら徐々に減速して着水水域へ導くという手品のような技術にちがいない。昔、少年はマジックを見るような感覚でジェミニ宇宙船の帰還ニュースを聞いていた。あの帰還カプセルは耐熱、熱防護の面では大変発達していたと思われるけれど、当時も精密に誘導していたのだろうか?

 

 着水地点へ帰還カプセルを誘導できる技術は、宇宙からの帰還地点を決められるので重要な技術だ。打ち上げから帰還地点まで通したシナリオが描ける時代になるのだ。

 

 プラスチックの再利用が話題になっている。将来、今まで以上に多種多様なプラスチックが生活に入ってくると思われる。プラスチックを開発する段階からその回収地点を見定める必要がある。

 

 打ち上げから回収までシナリオを描くことが「物質のライフサイクル」です。(L)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    宇宙に係る技術開発は着実に進歩しているのですね。日本でも「宇宙軍」が設置されるとの報道を耳にしました。
    いずれ宇宙をめぐって領土争いが勃発するようなことも起こり得るのでしょうか。
    地球内では争いが絶えませんが、せめて宇宙は平和であることを願っています。

コメントをどうぞ