土肥温泉に行って心と体を休めてきた。日本の温泉というのは特別な癒しのシステムである。温泉につかり、夕日を眺め、海鮮料理を堪能すると疲れが流れ出てくれる。
翌日は江戸時代から栄えていた土肥金山の観光坑道を見た。400メートルほどの坑道の中には電動仕掛けの人形が配置されており、江戸時代どんな作業をしていたのかがわかる展示になっている。鉱石を掘る。坑道の崩落防止のため木組みの壁を作る。湧き出る水を汲みだし配水する。鉱石を坑道外に運び出す。どれ一つ坑道内では楽な仕事はない。昭和40年(1965年)鉱量枯渇のため閉山となった。
中国がコバルトを世界で爆買いしているという記事が気になっている。リチウムイオン電池の正極材にはコバルトが使われるので、EV市場拡大を想定しての先手の行動だ。このコバルトの最大の産出国はアフリカのコンゴ共和国である。EV市場で世界トップに躍り出た中国が世界規模でコバルト調達網を握ろうという筋書きだ。
中国のコバルト爆買いは、金の産出地に金山奉行を置き、金の流通を手中にしていた徳川幕府と同じ考えといえる。
コバルト市場を不安定にしている別の理由もある。国際人権NGOアムネスティ・インターナショナルはコンゴの鉱山での人権問題を問題にしている。児童労働で採掘されたコバルトがスマートフォーンに使われていると非難しているのだ。
EVのエネルギー源リチウムイオン電池はコバルトなしで作れないといわれてきた。人工知能(AI)を活用して電池の素材の組み合わせをシミュレーションして、コバルトを少なくするあるいは使用しない電池の開発を目指すという意欲的な計画もあると聞く。
資源の確保政策により、他国では安く高性能な製品ができないという事態を避けることができないものだろうか。……それはどうすればできるのか?……“AIを駆使してバッテリー新素材の組み合わせを見つけ、LCAで新素材の組み合わせが環境負荷低減に寄与することを検証するする”というようなストーリーができないか…なあ。
EVの基幹部品である電池のコストが削減されますように。(A)
10月 15th, 2018 at 1:41 PM
日産リーフも2代目となり、またノートやセレナのe-Power車がたいへん売れているようで、今後、適用車種も増えてくるものと思われます。クルマの電動化の波が着実に押し寄せてきています。
コバルトに係る中国の動きに目が離せないですね。日本も戦略的外交で先手を打っていかなければなりません。
一方でコバルトの要らない電極開発も欠かせませんね。技術開発の分野では日本は負けられません。外交・技術開発と多角的に進めていく必要がありますね。普及拡大のためにはいくつものハードルを越えていかなければなりません。