「幾何学の定理」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「幾何学の定理」

 慶応大学の大学院生二人が幾何学の定理を証明したという。今になって定理と呼ばれる類の図形問題が残っていたことがビックリ話である。

 

 証明に取り組んだものは「辺の長さが全て整数となる直角三角形と二等辺三角形の組の中には、「周の長さ」も「面積」が共に等しい組は存在するか」というものだという。

 

 記事を読むと、受験生が三角形や二等辺三角形の角や辺に印を付けたりして、視覚的な整理手段を利用しながら幾何の問題解く流儀と全く違う。数学者だからこそ思いつく高度な現代数学で「解が一組だけ存在する」ことを証明した。答えを見てみると「確かに!」と思うけれど、残念ながら、私の生活の中でこの定理を使うチャンスは極めて少なそうだ。

 

 ピタゴラスの3平方の定理は寺院の床に敷かれたタイル模様からヒントを得たと聞いたことがある。このように、わかりやすく理解できる定理はなんとなく親しみがわくけれど、申し訳ないと思うけれど、現代数学の結晶はなんとなくつかみどころがない。

 

 幕末の佐賀藩には鍋島閑叟という科学技術に熱心な殿様がいた。長崎警備の関係から多くのヨーロッパ情報収集にたけていた。佐賀藩の偉いところは西洋知識を誰でもわかるレベルまでかみ砕いた啓発用の翻訳書籍を編纂したことだったと習った。だれでもわかる翻訳書のおかげで、佐賀藩お抱えの秀才たちは知識/情報内容の具体化に向けて励み、アームストロング砲まで実現した。結果、科学技術に長じた最強の雄藩となった。佐賀藩の海外情報収集、技術翻訳、人材育成ノウハウの蓄積は明治維新以降の近代化ためのブースターの役目を果たした。

 

 LCAの結果を知っていることはお客様とのコミュニケーションに大いに役に立つ。しかしLCAの結果がどのような前提と条件の下で、どのような手順で明らかになるのかを知る人はその手法を次々に拡大して適用することができる。さらに、環境保全だけでなく企業の持続可能性を伸ばすことにもつながる。すなわち強力なSDGsのツールとなるはずだ。

 

 LCAは持続可能性へのきっかけになる。ピタゴラスの見たタイル模様のごとく。(A)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    NHKの「西郷どん」でも描かれていたかと思いますが、幕末は西洋文化の門戸が開かれつつあったので、それらに接した方々が刺激を受け、触発され、様々な物や事を開発・開拓して行ったのでしょうね。佐賀藩はその最たるケースだったのですね。

    やはり異文化との融合は新たな物事を生み出すためには必要不可欠なのでしょうね。私は基本的に保守的だと思いますので、異文化には積極的には近づいて来なかったのかもしれません。だいぶ歳をとってしまいましたが、これからでも少しづつでも新たな物事にチャレンジすることが必要なのかもしれません。

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