浅草にアメリカ人の友人メアリーおばさんの家族を案内したとき、聞いてはいたけれど、あまりの海外観光客の多さにびっくりした。大きな提灯が下がっている雷門の周辺は観光客の撮影の隙間を縫って通らねばならない。
雷門を丁寧に説明する時間などない。「次回のオリンピックではマラソンはこの前を走るのだ」と説明したが、下手な英語が通じたかどうか……。仲見世はさすがに日本独特の景観だ。外国にはこのように土産物専門の小さな店が並んだ通りはないのかもしれない。アジア、東南アジア方面からの旅行者も多く、旅行者の若い女性の中にはユカタ姿の人も多い。着物姿は確かにきれいだし、人目も引く。“日本を体感するのでしたら着物を着てみませんか?”というビジネスを考えた人のセンスはすごい。
「なぜ、ここにはこれほど芸者が多いのか?」とメアリーさんの旦那様はいぶかしげだった。外国人の目からすれば、ユカタも着物も区別はつかないし、髪が黒ければ日本人にも見えてしまう。お寺、五重塔、仲見世通り、芸者、人力車、スカイツリー……確かにある種のテーマパークになっていて観光客の頭の中はごちゃごちゃだ。
浅草寺の前では若いアメリカ人女性の二人連れがメアリーさんにシャッターを押してくれと頼みに来た。二人はつま先を互いにつけて階段の最上段で横になって肘をつき、長い足でハートマーク風に写真フレームを作り、その中に浅草寺が入るように写真を撮ってくれと言っている。メアリーさんは地面に近づき、やや上向きにアングルを選び、2~3枚コマメに撮っていた。
この写真はきっとその日のうちにアメリカの友人に送られるのだろう。アメリカ「セルフィー」世代の一端を垣間見て、案内している自分が観光しているような気分になった。
交流サイト(SNS)を生み出したアメリカで、SNSの活用で現実の世界を変える動きが勢いづいている。変革の担い手は自らが写真や動画に映り込んで発信する「セルフィー」好きの世代なのだ。元気いっぱいのその世代が浅草の階段の上にいた。目の前にいた。
エネルギーに溢れた海外観光客から、エネルギーを吸収する。
一応海外からの観光客には着物を着て街を歩くことが人気なのだと説明しておいた。
7月 19th, 2018 at 8:33 AM
今、東京を訪れる外国人観光客の数はすごいのでしょうね。私が関東に住んでいた10年前も銀座では中国からの観光客の多さに驚いていましたが、今はいろんな国々からいろんな所を訪れて頂き、数もうなぎのぼりですね。体験型の観光コースも設定されているようですね。東京だけでなく、私の地方でも、この前、ドラッグストアに団体客が押し寄せていましたので驚きました。
折角、外国人の方々と接する機会があるので、おもてなしを提供するだけでなく、こちらも何か得たいところですね。
(私は残念ながら、英語も苦手ですし、声をかける勇気はありませんが・・・)