「車に配達」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「車に配達」

 アメリカでは愛車に商品を配達してくれるらしい。米アマゾンが有料のプライム会員対象に提供しているサービスだ。昨年11月から受取人不在の場合、自宅内に荷物を届けるサービスを行っていたが、それを車に拡大したのだという。

 

 システムの発想が素晴らしいと思う。日本では受取人不在の場合「不在通知」をポストに入れて、受取人からの折り返し電話で再度のデリバリー時間などの希望を聞いて配達する。確かにきめ細かい対応であるけれど、配達する側にとってはつらいシステムだ。自分の受け持ちルートの中を一日動き回らねばならない。

 

 今回の米アマゾン・ドット・コムのサービスは自動車のトランクを宅配専用ポストとして活用するという発想のように思う。愛車を自宅のカーポートに駐車している場合、職場の駐車場にある場合、スマートフォンアプリで自分の車を登録しておけば配達員が一時的にカギを開けられるようになるのだという。何か1歩進んだデリバリーシステムだ。

 

 自動車メーカーとタイアップしていて、限られたメーカーの限られたモデルの場合、トランクへのデリバリーが可能なようだ。宅配専用ポストを備え付けなくてもよいならその分装備の整った自動車を購入できるというメリットもある。

 

 おそらく将来、無人の車が注文した商品を受け取りにデポに向かうような光景があるだろう。そして商品はトランクに積み込まれて自宅に帰ってくる。自動車は快適な空間を確保できる贅沢品だと思い込んでいる人は多いと思う。そろそろ自動車とは何かを考え、価値を再評価する準備が必要だ。

 

 LCA(ライフサイクルアセスメント)では環境と言う側面からモノやサービスを見ている。LCAに精通している評価者は評価スタート時点から冷めた目で対象物を見る癖がついている。この対象物の「機能単位は何か」を認識しなければ、“機能”と“環境負荷”とのトレードオフができないからだ。

 

 購入する時には、「どんな機能に対していくら払うのか」を考えてみるのも一興。(A)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    Amazonの取り組みは、いつも先進的ですね。ユーザーの事情をよく調査して仕組みに反映していると思います。
    車の活用の観点からも、今後の展開上、重要なサービスなのかもしれません。
    車の活用、車の役割も拡がりそうですね。自動運転が様々なサービスと連携して益々発展していきそうです。

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