先日朝のニュースの時間に、すこぶる頭の良い方法でエアコンの省エネを実行している企業の活動を見た。優雅な方法だ。
東京千代田区のビルの屋上で芋ほりを中継するニュースだった。屋上庭園かと思いながら見ていると不思議な景色が現れた。屋上にはエアコン室外機が何列も並んでいる。室外機つまり熱交換器が内蔵された箱だ。その箱の上面と同じくらいの高さにサツマイモの葉が茂っている。
サツマイモの葉で覆われた平面の中にきれいに並べられた室外機の頭が見えているだけ。芋ほりに必ず出てくる子供の姿がない。
ここからがTV 中継での種明かし。室外機の間の幅60センチ~1メートルほどのスペースに建設現場で使う鉄パイプで組み立てた高さ1メートルほどの棚ができている。そしてそのパイプには太さ約20センチ深さ40センチほどの布製の簡易植木鉢が何個も釣り下げられており、そこにイモが植えられている。イモは何メートルも蔓を水平に伸ばし葉をつける、室外機の列の間はちょうどに葉で覆ったトンネルのようだ。
このアイデアを実行した人がここでのイモ掘りを説明してくれた。先ず吊るした布製のイモを植えていた袋の吊り紐とイモの蔓を鋏で切る。そして布を切り裂くと土の中からイモを簡単に取り出せる。ブドウ狩りならぬイモ狩りだ。
イモは大変元気の良い作物で、イモの葉は日陰を作り、室外機に日が当たるのを防ぐ。また葉から出る水分でも空気は冷やされるため、室外機の熱交換効率が大変良くなり、電力の使用量が減る。そのビルでは年間80万円ほど経費が節約されたという。
ライフサイクルアセスメント(LCA)にこのモデルを組み込んで検証して見たら面白いだろう。……とおもいながら、中継を堪能した。スゴイ。夏場、空調による廃熱で市街地の温度が上昇しているという話しを聞いたこともある。……そうだ、夏のオリンピックのマラソンコース上を部分的にイモの葉で覆うという手もあるな……。
イモの葉テント。知恵者がいるものだ。(L)
11月 14th, 2016 at 12:56 PM
「年間80万円ほど経費が節約」ですか、素晴らしいアイデアですね。それも自然の力(イモの葉)を借りてですから、更に素晴らしいですね。
このような節約(CO2削減)方法は、考えれば未だ未だあるのかもしれませんね。
確かに東京オリンピックでは、マラソンコースの舗装道路からの熱が問題になっていますが、ご提案のとおり植物の力を借りて対策する手もありますね。
東京オリンピックを契機に東京がより一層緑化されたとなれば東京オリンピックの価値が更に高まりますね。