「封筒メモ」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「封筒メモ」

最近、アナログ記録の方が記憶に残るように思いませんか。子供のころから染み付いた漢字練習帳スタイルの記憶術がよみがえっているのかも知れない。「漢字は頭で覚えるのではなく、手で覚えるのだ。」とたくさんの人に言われてきました。

アナログつまり手書きに頼る理由はいくつかある。最近、書く段になって漢字を忘れていることが多いからだ。先日もそうだった。「ご冥福をお祈りいたします。」と手紙を出そうとしたが、「冥」という字か心配になって辞典で確認することになった。手で書くという刺激性が新鮮だ。

枠組みや罫線などの枠をはみ出して思ったことやメモを書くことも快感だ。特に受け取った使用済みの封筒に書くのが好きだ。封筒はなくなりにくいし、紙もしっかりしている。電話の受け答えや印象、ふと思いついたアイデアなどを封筒にミミズのような字で書きとめるのだ。使用済みの封筒やボールペンは机の上に転がっているし、書きたい時にすぐ対応できることがよい。 IT 機器を立ち上げるなどという手間は要らない。画面から「この行を折り返しますか?」などと聞かれることにもあきたのだ。

自分で書きたいことは勝手に文を鉄道路線のように曲げて書いてみたり、最後の方の字を小さくして完結させたり。宛名とか、差出人をよけたり、時には、その上を侵略して書き付けたり、自由気ままに字で封筒の余白を埋めていくと“今を示す状況の缶詰”になる。封筒の差出人のロゴやスタンプから大方の時節もわかる。封筒の色合いも記憶の一部として残る。例えば「あの LCA の発表講演の時間は浅葱色の封筒にメモしたような気がする。」などと覚えているのだ。

メモをどこに書こうがお好きなように。……だけれど。

私にとっては“最近気が付いただらしない生き方”の自分が封筒の裏表に現れていて「自分の肖像画」を見ている気分になる。使い終わったメモ書き付き封筒を捨てるとき、一瞬過去のあの時がよみがえる。( A

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    私もパソコン(PC)に頼ってばかりで手書きが減っていますので、漢字が書けなくなってきています。仕事ではPCを使う時間が長いですし、自宅に戻ってもPCの前に居ることが多いので、一日中PCを使っている感じです。自宅ではPCの使用を強制されている訳ではないのに、もう中毒みたいになっています。目にも負担をかけるので注意しなければなりません。

    確かにアナログの良さというのはありますね。意味は少し違うかもしれませんが、腕時計はデジタルよりもアナログの方が人気が高いですよね。人間も動物ですから、適切に身体を使うことを志向するものなのでしょうね。いくらPCが便利と言っても、時々は手を使って字を書きたいと思うのではないでしょうか。

    それにしても使用済封筒の活用はたいへんユニークですね。全然思い付きませんでした。巧い活用法だと思います。使用済封筒の有効活用とも言えますね。日頃からLCA的な発想が身についていらっしゃるのでしょうね。

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