「10B鉛筆」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「10B鉛筆」

先月の朝日新聞に硬さ10Bの鉛筆の話がのっていた。この軟らかさ、埼玉県では子どもたちの間で当たり前のように根付いているらしい。埼玉県の硬筆書道教育連盟の活動もあって、三菱鉛筆は埼玉県だけで「筆鉛筆」として販売しているのだ。

伊東屋の前を通ったので1本購入した。「筆鉛筆」ではなく、「10B鉛筆」である。10Bの方は全国で販売している。筆鉛筆と若干、芯の質が違うらしい。

記事に出てくる埼玉県の先生の話は説得力がある。「中には筆圧の弱い子供もいる。柔らかい鉛筆はそうした子供の字を輝かせます。やはり、柔らかい鉛筆で書いた字は見栄えが良くなるんですね」。書道部の女子高校生の感想は決定的だ。「『とめ』『はね』の感覚がいい。濃淡も出てすらすら書けます」。

小学校の頃の私の漢字練習方法は多分間違っていた。神経質だったのだろう。漢字の“筆順”や“点の場所”などの細部にこだわって、何度もノートに書いて頭にたたきっ込んだ。軟らかい鉛筆はすぐに先が丸くなるので嫌いだった。硬い鉛筆は先が丸くならずありがたいとすら思っていた。軟らかい鉛筆が筆先の運びを教えてくれて、おのずと文字の美を教えてくれるとは思いも至らなかった。

早速、10B鉛筆をナイフで削ってみた。太めの芯をナイフの刃がそぎ落とす。そばにある紙で軟らかさを体感してみると、たしかに、筆のような感覚で、『はね』のかすれがあってうれしい。字も、今度の小旅行のスケッチも……と次々とアイデアが浮かぶ。

鉛筆というのはどうやって作られるのだろうか。「二十の扉」というクイズ番組でなら鉛筆は最初のジャンルわけで、「植物と鉱物です」と教えられる。木を乾燥させ、芯の材料の純度をあげる。芯の硬さに応じて芯材料の調合が行われる。鉛筆の形に仕上げて塗装。単純な文具だけれど色々な工程がありそうだ。

リアルシステムをLCA(ライフサイクルアセスメント)モデルで表すには柔軟な発想が必要だ。10B鉛筆でコメントを付けながら10B鉛筆のLCAモデル構想するのも一興。(C

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    10Bの鉛筆があるんですね。私は2Bまでしか使ったことがありません。と言いますか、マークシートの試験でもない限り、鉛筆を使う機会がありません。

    シャープペンシルに押されて世の中から消えてしまうのではないか、と思った時もありましたが、マークシートでの使用や10Bのような工夫もあり頑張っているんですね。
    書いた時の感触がシャープペンよりも柔らかくて好まれる方が多いのかもしれません。

    今後、どのような鉛筆が登場してくるのでしょうか。長さや太さは人間の手のサイズ・機能から、今の形に落ち着いていると思われますので、この点はあまり変わらないのでしょうね。

    例えば材料を木からプラスチックに変えたのでは、シャープペンとあまり変わりませんし・・・やはり木でないと鉛筆ではないですよね。

    重厚感を出すべく木でも重い材質のものにする・・・これもあまり意味のないことでしょうか。

    中々思いつきません。今の素朴な機能・形ままで良いので、ずっと残って欲しいと思います。

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