「空気」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「空気」

ときどき何か埃っぽいと感ずる。花粉の飛来、PM2.5あるいは黄砂の細かい粒子が原因かもしれないけれど、どれが原因なのかは分からない。幸い、マスク生活にまで至っていないので、春を感じる鼻のセンサーがまだ正常に機能していることを確認して春の本格的な到来を待っていた。

2月下旬矢3月の木々を通り抜けてくる風は、はっきり冬の風と香りが違う。梅の花の気品のある香りはもちろんだが、このフンワカと心を包むような甘い香りの空気は色々な小さな花が咲き出して蜜のにおいを広げているからに違いない。花の香りのアンサンブルになっていて、春の香りなのだ。

地球には空気というガスがあって本当によかったと思う。透明で無臭、そして適度な密度が演出するサラサラ感と粘着感。香りを運んでくれる流体として最適だ。

ロシアで隕石が落下した時、なんであんなに明るかったのかという話を読んだ。隕石そのものが空気層を通過する際の摩擦熱で明るくなっているのではないらしい。摩擦で高温にはなるけれど光るほどにはならない。光っていたのは隕石周りの空気だそうだ。隕石は空気を押しつぶしながら地球に侵入するので、衝撃波の筒ができる。その筒の中で空気は断熱圧縮されるので、今回のような秒速18キロでゆっくり(?)落ちてきた隕石でも、数百万分の1に圧縮された高温の空気の中を進み隕石表面は数万度になる。数万度になった圧縮空気は光を放射する性質があり、まるで太陽のように隕石が輝いたという。

被害は出たけれど、隕石が高速で地上に衝突しないように減速に手を貸してくれたのは空気だった。もうすぐ衝突するぞと輝いて信号を出してくれたのも空気だった。

LCA(ライフサイクルアセスメント)でも、生産プロセスからの排出物の行き先を(1)土壌(2)水 3)大気などと分類して環境負荷を計算している。最近PM2.5や黄砂のニュースをよく聞く。空を見上げる機会が増えたためか空の、空気の大切さをますます感じている。空気も資源という時代が来るのだろう。

木の葉交じりの空を見るのが好きだ。自然の香り。(C

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    そうでしたか、あの光は、隕石そのものではなく、その周りの空気だったのですね。たいへん勉強になりました。

    今年は花粉の量も多く、更にはPM2.5まで飛来し、黄砂との三重苦で特にたいへんな気がしますが、急に暖かくなったため例年より早く桜が開花しました。

    この3月下旬に地方に引越すことになりましたので、開花が遅ければ見れないかもと思っていましたが、何とか引越し前に桜を見ることができました。

    いつ見てもきれいですが、首都圏の桜は、これで見納めかもしれません。さぁ、新年度から新たな生活が始まります。
    頑張ります。

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