「推進力」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「推進力」

米航空宇宙局(NASA)は9月、月に人を送り込んだアポロ計画の着陸地点を撮影した一連の画像を公開した。月面探査車が走った跡や着陸船が使った台座、機器の残骸などが写っている。月探査機LRO(ルナー・リコネッサンス・オービター)が月面から2124キロの低空から撮影したものだ。月の表面の静寂さと、宇宙の悠久の時間の流れ。その‥‥‥何かとらえどころのない大きさの中の人間の痕跡。

アポロ12(1969)14(71)17(72)の偉業が話題になっていたころ、私も前に進みたいと思っていた。社会全体が明日に向かって大胆に歩いていた。

今、日本ではエネルギーが大きな問題になっている。産業総合研究所フェローの中西準子先生は「技術開発だけに頼って将来エネルギー政策を考えることはできない」とおっしゃっている。技術開発を当てにはしないけれど、期待は多少お持ちなのだと思う。

沢山の人がエネルギー分野のエンジニアや研究者の活躍を期待している。技術が進歩している時代は面白い。ケイタイ社会に出て来たスマホのような社会を変える推進力。前進させる推進力。エネルギー分野でもこんな技術が出てこ~い。

原子力発電はもっと安全にできないのか。太陽光発電ももっと効率は高くならないのか。それは無理なのか。無理ならその先の夢は何か?

浸透圧発電という技術が新聞紙上で紹介されている。海水と真水の塩分濃度の違いから電力を作り出す技術だ。「水は通すが塩分は通過できない膜で海水と真水を仕切る。塩分の濃い海水側に真水が移動する“浸透”という現象が起きる。海水と真水を送り続けると海水側の流量が増えて発電タービンが回る」。海洋国家としては事実上無尽蔵のエネルギー源。しかも夜も昼も天候も関係なく、稼働率が85%以上で、高低差のない場所で水力発電を行う技術。おいしすぎる話なので、少し間をおいて頭を冷やしてからまた考えたい。

この浸透圧発電の話にも解決すべき難問はあるのだろう。エネルギーを作り出すシステム技術にLCA(ライフサイクルアセスメント)を適用してみたいという夢、かなえられないだろうか。LCAは製品や物だけが対象ではない。システムにも適用できるのだ。いつか浸透圧発電の専門家から話を聞いてみたい。講義を受ける機会を探している。

月の砂粒のように小さな存在が、見る夢。(C

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