「中川一政美術館」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「中川一政美術館」

暑気払いのため、箱根で一泊してきた。途中、時間もあったので、真鶴半島の真鶴町立中川一政美術館に立ち寄り、いい「言葉」に出会った。中川画伯は文化勲章を受賞された方である。今回始めて知ったが、絵画にとどまらず書、陶芸、著述を通じて才能を発揮した才人であったようだ。そもそも町立美術館ができるのだから、地元の人々はどれだけ彼の芸術的、文化的な業績を誇りに思っているかがわかる。

美術館に入館の際もらったリーフレットには「画の見方」という中川一政画伯の一文がある。画を“きゅうくつ”に考えないで見ることが大切だと記されている。

「富士山を見てよい景色だと思います。しかし、景色は富士山ばかりではありあません。富士山ばかりを良い景色と考えすぎると、天の橋立へ来るとわからなくなります。」

「人というものは其人の心の深さだけしか見ることができません。深い心の作品を見るにも自分の程度だけしか分かりません。」

「自分のわかる程度で素直に見てゆく事です。理屈ぜめにして見てゆかぬ事です。自分が成長すればわかるだろうと思うことです。そして成長することを考えた方が近道なのです」

とにかく、その画は力強く、迷いがない。地元の福浦という漁村を描いたものは、小学校の頃、水泳三昧で過ごした千葉県の漁村の景色を思い出させる。木々の葉と潮のにおいがあふれてきた。山が海に迫る漁村での変わらぬ景色だ。

ドイツの PE INTERNATIONAL 社( PEI )は LCA( ライフサイクルアセスメント ) の専門グループで、環境負荷や持続可能性などの検証についても造詣が深い。最近の PEI メンバーの活動で、“鉄道輸送が自動車輸送に比べて環境的に見て不利なケースもある”とのコメントを見た。 LCA というのは、実際の状況をコンピューター上でモデル化し、情報をデータ化して、現実を再現し、結果を検討する。“自動車輸送システムより鉄道輸送システムの方が環境的に良い”と決め付けてスタートしてはいけないと言っているのだろうか。

「画の見方」と同じように、「環境の見方」も“きゅうくつ”に考えないようにすることが大切だ。・・・・・・。条件や背景にあるシステムをモデル化し、データは吟味のしたうえで LCA の結果に反映したいと思う。 ( )

コメント

コメントをどうぞ