「階段の上り方」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「階段の上り方」

東日本大震災で被災し、大量の放射能汚染を起こした東京電力福島第一原子力発電所では、ロボットが活躍している。放射線量の高い原子炉建屋に初めて入った調査ロボット「バックポット」は、米軍がアフガニスタンで使っており、実績は折り紙付きだという。原子炉事故終息にむけて実績優先の決断が続く。

福島第一原発で、日本の実績と技術が注目されているものがあるという。無人重機だ。放射線を浴びたがれきの撤去をするパワーショベルやトラック、放射性物質を含むちりが舞い上がらないよう樹脂を散布するクローラーダンプなどが活躍している。放水に使っている長さ5070メートルのアームを持つコンクリートポンプ車も無人化の改造が進行中だそうだ。

建設・土木重機の無人化は、93年の雲仙普賢岳の噴火以来、ゼネコンが無線化を進めた。その後も災害現場に合った改良が続けられ、2000年の北海道・有珠山の噴火の災害現場でも使われたという。現場のニーズとその具体化。お客から寄せられる現場のさらなるニーズにこたえて改良や新機能開発が絶え間なく続いてきたのだと思う。

日本のショベルカーの優秀さは友人から聞いていた。特に、ショベルカーのアームコントロールのスムーズさとアームに付けるアタッチメントの機能の豊富さがすばらしいという。わたしも、鳥のくちばしのようながれき選別用のアタッチメントの動きは見ていても飽きない。恐竜はこうやって獲物を捕らえて食事をしていたんだろうなと思うくらい興奮する。こういう機械が無人化されたら立派なロボットだ。

東京電力は7月、福島第1原子力発電所の原子炉建屋で、ロボットには掃除機を持たせ、遠隔操作で砂などを吸い取ることを始めた。作業員の被爆(ひばく)線量を抑えるのが目的だという。‥‥‥これって日本人が好きな合体ロボットの考え方に近い。A+B=A+B+α。αって多分、用意された道具や治工具を災害現場の状況に合わせて合体し、問題を解決する即応性みたいなものではないかと思う。

「現場のニーズ」を把握し、「実績」を重ね、機能を「合体」させて次のステップを目指す。覚えておこうと思う。この階段の上り方。(L)

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