「お姫様だっこ」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「お姫様だっこ」

若い女性にすきな男性に何をしてもらいたいかを聞くと「お姫様だっこをしてもらいたい」と答える人がいる。西洋風で日本の日常ではあまり縁がないシーン。子供の頃見たディズニーの映画でも美男の王子様が美女のお姫様を優しく抱き上げていた。いかにも軽々と。お姫様は「アツ」と驚いてそれから王子様の首に手を回す。

 

日本ではあまり関係ないと思われたこの“お姫様だっこ”だが、最近これが定着しそうな気配がある。高齢化社会となって、ぎっくり腰で動けなくなったり、足が弱って歩けなくなったりする人が増えてきている。お年寄りをベッドから移動させるのも介護者は難儀である。そこで、人を優しく抱き上げてベッドに寝かせたりする介護ロボットが研究されているのだ。

理化学研究所と東海ゴム工業は「RIBA(リーバ)」というロボットを開発している。高さが140cm、重さが180kg。体の表面を発泡ウレタンなどの軟らかい素材で覆ってあり、60kgの大人もらくらく抱き上げることができる。両腕の表面には合計で約400個の触覚センサーを埋め込んで搭乗する人に負担がかからないよう配慮した制御を行う。白熊のぬいぐるみのような形でなんとなく愛嬌がある。

 

人に骨と筋肉を使って繊細な皮膚感覚で抱き上げてもらうのと、特殊な発泡ウレタンでカバーされた樹脂製の骨格をもった腕で抱き上げてられるのとは違うだろうとは思う。しかし、寝たきり状態は、将来いつかわが身にもふりかかる状況かもしれないのだ。機械に身をゆだねることも覚悟しておこう。贅沢はいっていられない。ただ一つ、ぜひ優しい肌(皮膚)の研究だけは進めてもらいたい。これも贅沢かな。健康診断でバリュームを呑んで胃のレントゲン検査する際に、先端にゴム製のボールがついている鉄製の腕で腹をグリグリ押される違和感と不安が頭をよぎったので、・・・。つい要求がエスカレートして・・・。

 

今まで日本の産業を牽引してきた自動車産業が残念ながら元気がない。自動車産業には元気を取り戻してもらいたい。これからはロボット産業も自動車産業と同じように日本の技術発展の推進力となっていくのだろうか。

ロボットメーカーや研究機関の方々、今から環境に配慮したロボット作りを先行調査してみませんか。材料、工程、CO2排出量などいろいろな視点があると思います。(C