「木造人工衛星」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「木造人工衛星」

 京都大学と、住友林業は木材を機体に使った木造人工衛星を2023年に打ち上げようとしている。宇宙空間での木材の劣化を調べるためだという。

 

 新聞によると、「木造の人工衛星は半導体の基盤はシリコンや金属、プラスチックなどでできているが、1辺10~11センチ余りの大きさの機体は木材で作る。」という計画だ。

 

 木材を資源の一つとして突き詰めて調べてみるというのは面白いかもしれない。木造住宅は間取りの縮小増築などが比較手容易である。また、機能的な面では、気候の振れ幅に家として対応してくれるし、湿度変化、温度変化に生活環境を守ってくれる。住宅材として優良素材である。さらなる新機能でも発見されるかもしれない。

 

 研究チームは今年度中に木材が宇宙空間で受ける実験を開始する。宇宙空間で、硬さの異なるホウノキ、ヤマザクラ、ダケカンバの3種を、ISSの船外で半年間宇宙空間にさらす実験を計画しているということだ。宇宙と木材の組み合わせがなんとなくアンマッチだからこそ、今までの常識を超えた未知の世界が見えてくることを期待している……。

 

 記事では、「従来の人工衛星はアルミ主体の機体で、運用が終わったらば大気圏に突入させて燃えるように設計されているが、燃えた後の数マイクロメートルほどの極めて小さい酸化アルミニウムの粒子が残る。一つ一つは小さくても、大きな速度で打ち上げるロケットが衝突すると、機体の損傷につながる危険がある。」と説明している。

 

 宇宙飛行士の京都大学大学院の土井特定教授は「粒子が増えると太陽光を反射し、地球の気候が極端に暑いところと寒いところが出るなど異常気象にも影響する恐れがある。」と話されている。

 

 木造人工衛星については正直なところ“?”は尽きない。木造機体でアルミ構造にくらべて重量増にならないのだろうか?大気圏突入で木材が燃えた後には酸化アルミニウムの粒のような障害物は残らないのだろうか?木造だからよい点は廃棄段階だけなのだろうか?

 

木造オリパラ会場は魅力的であった。機械工学の面でも木の利用を期待している。(A)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    最近、木材を活用した建築物が増えてきたように思います。オリンピックのスタジアムもそうでしたかね。耐火性も向上しているのでしょう。木の温かみが感じられてうれしいですね。

    それが人工衛星にまで活用されるとは、実現できればすばらいいことですね。人工衛星は大気圏突入で燃え尽きた後は何も残っていないものと単純に思っていましたが、酸化アルミニウム粒子が残っていたのですね。それがロケット打ち上げに影響していたとは、それ以上に地球の気候に影響を及ぼすとは・・・、これらの課題解決に木材が役立つとうれしいですね。

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