「豊作祈念」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「豊作祈念」

 毎年我が家のおせち料理では田作りを担当することになっている。田作りは稲の豊作を祝う料理である。数年前から田作り担当に任命され、続けている。火加減など失敗経験もたくさんあるけれど、何とか令和2年も田作りで豊作を祈りたいと思っている。

 

 そもそも店で買ってきた田作りがおいしくなかったことがきっかけであった。田作りは自分の担当にすると宣言したのだった。実は、何か新年が実り豊かになることを願う作業を自分でも手伝ってみたいと思っても……いたのだ。

 

 初年度の田作りは大変上手にできてしまい、子供たちからうまいうまいとほめられたことが、田作り担当をいい気分にした。火加減は妻のアドバイスも受けながら、毎年いろいろな田作りを試している。

 

 天日干ししたカタクチイワシの幼魚を炒ることがまず第一の関門である。経験と勘が必要だと考え、電子レンジで熱を通す方法からスタートした。ほぼうまくいくが、料理に花がない。シェフの腕の見せ場がない。昨年からはフライパンで魚をパリパリにすることに挑戦している。ポキンポキン魚が折れるくらいまで弱火で炒り上げる。

 

 そして魚から出る細かいくずを竹製のざるで篩ながら取り除く。つまり、雑味を除く。(“雑味”などと言うとプロっぽく聞こえると思ったので、意図して使ってみた。)

 

 そして、みりんやしょうゆで味付けした砂糖のカラメルを小魚の周りに絡めていくと色つやのよい田作りが完成する。そもそも田作りは手間のかかるお節料理ではない。味付けのバリエーションも多い。失敗を恐れず果敢にチャレンジできる。

 

 手順よくレシピに従って作業を進める。微妙な素材の調合と調味料の組み合わせからいろいろな味が生まれる。工業的な物づくりとは大違いであることは承知しているが、自分でものを作る楽しみを味わうのが暮れの恒例になっている。

 

 ナッツ入りは試した。今年はドライフルーツを入れて人生の豊作を祈る予定だ。(A)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    さすが器用なのですね。私は料理の方は全くダメです。早いもので本日が仕事納めです。今年もいろいろありましたが、本ブログが毎週更新されるのを楽しみにして過ごすことができました。来年も本ブログを楽しみにしていますので、よろしくお願いします。

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